弟のはなしも。
感情は入れずに事実だけかくね
それなら何とか言える
見たくない人は見ないでね
イヤな気持ちになるから
弟は仕事中に事故で
半身不随になったのね。
その前にもなんやかんやで
腕を切断しそうな大怪我もわざとしてたね
これは事故後
お正月にみんなでお雑煮食べてた時の話し
弟は私が作ったのを食べて
餅を喉につかえたの
食べ方がおかしかったからわざとやった
半身不随の人はお腹の筋肉も退化しているから
咽せることもできず…
口に手を入れて餅を出そうとした
母の手を噛み切りそうになってた
無意識でね
母は痛い!と叫んだ
弟は眼を見開いて鬼みたいな酷い顔だった
掃除機でも出そうとしたけど
出なくて
顔が しゅういろ 味噌饅頭の色になってて
ああ 死ぬ人の顔色ってこんななんだって。
ぐったりしてたし
もう死んだなと思ったんだ
母は泣きわめいてうるさかった
妹が
軌道確保しようとして
鼻から通した管がお餅を押したみたいで
すぽん と音がして
みるみる顔色が戻った
そして
第一声が
なんで 助けた?
だった。
たぶんみんな死んだら良かった
って思った
半身不随の事故後はめちゃくちゃに
母に当たってたし…
救急車に乗る頃はもう普通で
帰ってきてから親戚のおばさんに
殴られてた
ボコボコ何度も聞こえたけど
何も出来なくて隣の部屋で
私はボロボロ泣いてた
リハビリがイヤで病院の階段から
車椅子で落ちたりもした
十年前の話し。
でも
どんなことをしても
彼は私の弟なんだよね
血のつながった弟
その事実は切れないのね
ウッチャンが監督した
手紙
あの映画の心境そのものなんだ
恨むとか好きとか嫌いとか
そういうカテゴリーでわけられないんだ
そんな過去
コメント